一部出版書籍で誤解を招く記述がありました。


 
 

一部出版書籍の「羊毛断熱材の欠点」の記述に対し、事実と異なる点が多く見受けられますので、以下の通り反論いたします。

1.『「ウールは難燃性で燃えにくい」といわれていますが、実際に火をつけてみると、すさまじい悪臭をあげて激しく燃えます。』との記載について。

ウールの難燃性や安全性は、航空機、新幹線、客船、ホテルなど人命を預かる場所のカーペット、カーテン、毛布、シートに幅広く使用されていることでも既に証明されています。消防服、レーシングウェア、乗務員のユニフォームもほとんどがウールで、人命を守っています。ウールは繊維内に窒素や水分を多く含んでおり、火が遠くなると自然に消火し燃え広がりません。更に、当社製品「サーモウール」は建築基準法に基づいた防火構造認定も取得しており、建築素材として必要な条件を満たしています。
ウールが燃焼する際に発生するガスは、バーベキューで肉を焼くときに発生するガスよりも安全とされています(WRONZ(ニュージーランド羊毛研究所)の報告書より)動物繊維であるためタンパク質などの性質上、通常の燃焼時は毛髪などと同様のニオイを発しますが、有害ガスはほとんど発生しません。

ウールが人命を守る場所に幅広く認定され、使用されていることから、筆者が実際に他の繊維や素材の燃焼時と比較しての記述でなければ、主観だけで羊毛を意図的に批判しており、「すさまじい悪臭」「激しく燃える」は一切根拠のない表現であると言えます。


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2.調湿性能についてメーカー側が「数値を公表していない」ことや「羊毛に調湿性がないことは、普段の生活でも多くの方が体感しているはず」の点について。

ウールの調湿性については、データを公開している企業・団体も多く、当社製品「サーモウール」も、自社ホームページで実際の物件で測定された湿度推移グラフや、お施主様の感想を公開しています。 更には、調湿性(結露防止)の効果が認められ、建築における「特別評価認定(防露認定)」も取得しています。
羊毛の吸湿力は綿の約2倍、ポリエステルの約40倍ともいわれ、繊維の中でもずば抜けています。アパレル業界ではウールに調湿性があることは以前から知られており、数多くのウール製品が生み出されています。
普段の生活でウールの靴下をはくと暖かいだけではなく、蒸れにくくサラサラの状態を保っていることを多くの方が体感されているでしょう。また、登山家はウールの下着を好んで着用しています。
例えば、アウトドア用品店などに行くとウールで作られた靴下などの製品が数多く並べられています。過酷な状況下において湿気や水滴によって凍傷が起こりうる場所では、化学繊維ではなくウール製品を身につけます。これは自然の中で羊が培った素材の性能です。

よって、筆者の言う「数値を公表していない」ことや「羊毛に調湿性がない」は明らかに筆者の調査不足であり、一切当てはまらない誤った認識と言えます。

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3.「ウールには撥水性があるから、湿気もはじく」の点について

まず、水滴と湿気は全く性質の異なる物質です。
この点も、繊維業界では当たり前の事実として認められていますが、「ウールは水滴をはじき、湿気を吸う」という不思議な機能をもっています。
調湿のしくみはウール繊維の構造に関係しています。繊維の表面の層(スケール)は水をはじき、内部は逆に親水性です。
スケールには、ごく細かい孔があり、水滴ははじきますが、気体となっている水(水蒸気)はこの細孔を通過させ、親水性の層に浸透させます。浸透した水分は分子状態で内部に保持されるので、ムレたり水浸しになりません。(乾燥時には、逆の要領で放湿します。)

筆者が記載している通り、ウール表面には撥水性があり、ウールの衣類(コート)などは防水加工がされていなくても、水滴はすぐに滲みていきません。しかし、ここではじいているのはあくまで「水滴」であり「湿気」ではありません。
このように、筆者はウールの撥水性や調湿性のメカニズムを曲解・誤認識しており、繊維に関して知識不足と言わざるを得ません。

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4.「仮に、犬アレルギーや猫アレルギーの方が羊毛断熱材を使用している家に入ろうものなら、全身に湿疹が出るほどの症状が出る方もおられます」の点について。

動物等から人間が影響を受けるアレルゲンは複数存在し、全てが同一ではありません。犬アレルギーの方は猫アレルギーなのでしょうか。猫アレルギーの方は犬アレルギーでしょうか。例えば花粉症でも、人それぞれ反応する物質にも症状にも個人差があり、一括りにできるものではありません。一般的に着用されているポリエステルの洋服でもアレルギー反応を示す化学物質過敏症の方がいるように、ウールにアレルギーをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし、犬アレルギーや猫アレルギーの方は必ずウールにアレルギー症状を出すという記載はあまりにも科学的ではなく主観的で湾曲されたものです。
ウールは羊の皮膚が変形したもので、人間や動物の皮膚のように、外部から菌やウィルスが侵入してくるとそれを無害にする免疫機能を持っています。ウールには細菌の繁殖をおさえたり、気になる悪臭を消臭する性能があり、下着や洋服、ふとんなどに適した繊維とされています。有害な化学物質であるホルムアルデヒドも除去する機能もあります(WRONZ、北里調べ)。
当社製品「サーモウール」を使用した新築で生活をしているうちに、アレルギー症状が緩和されたという感想も頂戴しております。
上記の点から、犬アレルギーや猫アレルギーの方は必ずウールにアレルギー症状を出すという記載はあまりにも科学的ではなく主観的で湾曲されたものであり、ウールは人体にはむしろ優しい素材であることが言えます。

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  5.羊毛の収穫方法について、「昔はバリカンで刈っていたが、今では薬品を投与し収穫を行っている」「(羊毛は)とても健康素材とは言えない材料」の点について。

当社が羊毛を輸入しているニュージーランドでは、全国的にこの方法は採用されておりません。羊への負担を懸念し、また収穫のタイミングを明確に定めることが出来ないなどの理由がありますが、倫理観・道徳観の点でその収穫方法に否定的であるという事実があります。
もちろん、当社が輸入している業者でも、筆者の記す方法での収穫方法は一切行われておらず、バリカンで刈り取る方法で収穫しています。
「バイオロジカル・ウール・ハーベスティング( Biological Wool Harvesting, BWH )羊毛収穫法」という、オーストラリアで開発された手法があります。ある因子を羊に注射すると羊毛の成長が一時的に止まり、羊毛に切れ目が入るので、 数週間後にその切れ目が皮膚表面にまで押し出されてくると、バリカンを使わずに手で羊毛を収穫できる方法です。
しかし、現実には倫理観・道徳観の点から普及しておらず、ニュージーランド国内に関してはその方法で収穫された羊毛を見たことがない業者がほとんどで、従来通りバリカンによる収穫を行われていきます。

 

よって、筆者の言う「昔はバリカンで刈っていたが、今では薬品を投与し収穫を行っている」は当社には当てはまらない事項であり、全ての業者が薬品投与による収穫を行っているという誤った認識を筆者がもっていることは明らかです。また筆者が実際に投薬によって収穫された羊毛を見たことがあり、その羊毛の用途まで調べた上で論じているのか疑念を抱きます。
また、先述した通り、セーターやカーペット、カーテンなど、一般衣類や家はもちろん、航空機や客船など人命を守る場所にウール素材は幅広く使用されていることから「(羊毛は)とても健康素材とは言えない材料」という筆者の記述はひどく湾曲された事項と言えます。
上記のような薬品での収穫方法があるという情報だけをもとに、全ての羊毛がその方法で収穫されており、羊毛が人体に悪影響を与える素材だと論じているのであれば、それはあまりに調査不足であり誤った認識であります。


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